[記憶の影の綻び]:新堂誠を6話目に選択
[生ける人形]:荒井昭二を6話目に選択
[摩訶不思議風間ワールド]:風間望を6話目に選択
[パラレルトイレツアー]:細田友晴を6話目に選択
[地下格闘クラブ]:岩下明美を6話目に選択
[狂気の夜]:福沢玲子を6話目に選択
[サジタリウス襲来]:(※福沢6話目をED 003【何かがおかしい】で終わっている場合)
[包帯の女]:狂気ポイントが6ポイントになると発生。狂気ポイントが得られるエンディングは以下の通り。
[蟲毒の地下室]:各語り部の話で、以下のエンディングを通ると発生
[交換日記の怖い話]:各語り部の話で、以下のエンディングを通ると発生
[七人目は私]:福沢玲子の話を[出来る彼女の秘密]ED 006 【蟲の口移し】で終わらせている
七人目が来ないので、坂上が七話目を話すことにした。
昔、この付近には大きな団地があり、その団地に引っ越してきたばかりの少年は年の近い6人の少年少女と知り合い、何をするにも一緒に行動するようになった。そしてある夏の日、リーダー格の少年の提案で彼らは鳴神学園の旧校舎に探検しに行くことになる。
《1》……彼らは、どんな遊びをしたと思いますか?
《2》かくれんぼをするためには、鬼が必要です。一体、かくれんぼで誰が鬼になったと思いますか?
宝探しゲームの為に、少年は大切にしていたオルゴールを教室に隠したが、誰も見つけることができなかった。ゲームが終わって少年がオルゴールを取りに行くと、隠したはずのオルゴールは無くなっていた。少年は誰かが盗んだのではないかと疑ったが、他の子達は彼を置いて出ていってしまったため、一人で探し続けることにした。今でも……。
少年は鬼になったが、いくら探しても他のみんなは見つからず、諦めて泣きながら家路についた。団地に着いたところで買い物帰りの母親に会い一部始終を話したところ、公園のところで自分を置き去りにした彼らがいるのを見つけた。しかし、母親にはその姿は見えないらしい。彼らは少年が生んだ幻影だったのだ。彼らは少年の成長に合わせて同じように大きくなり、また友達になって、それを繰り返していったという。そして今、坂上の目の前にいる語り部もまた……。
少年はかくれんぼで近くの教室にあった掃除用具入れの中に隠れたが、そのまま眠ってしまい、目を覚ますと夜になっていた。出口を探していると闇の中から一本の腕が手招きし、少年はその手と一緒に皆が探しに来るのをずっと待っていたという。
その少年こそが坂上だったのだ。
七人目が来ないので、荒井がもう一話を語ることになった。荒井には曽我秀雄という天才的なモデラーの友達がいたという。
そんな彼は、世間とは没交渉で、根暗なオタクだと思いますか?
曽我には早乙女麻耶という美しい彼女がいたが、病に倒れてしまう。ある日、荒井は曽我から電話で早乙女が亡くなった事を知らされるが、その事を伏せておいて欲しいと頼まれた。しばらくして死んだはずの早乙女が登校してきたが、まるで操り人形のように生気がない。実は曽我の天才的な造形術と、『女神を呼び出す呪法』によって早乙女を作ったのだ。そして早乙女の細胞を培養するには養分が必要なのだと。
荒井の話が終わると、部屋中にガスが充満し、語り部たちは次々に倒れていった。「どうぞ、曽我君。これだけ養分があれば、当分は大丈夫でしょう」
曽我に興味を持った荒井は、彼の後をつけ、屋上にある沢山の彫刻を見つけた。曽我の作品のファンであった荒井は、それ以来、曽我と屋上で様々なことを語り合う仲となったが、ある日曽我は屋上から落ちて亡くなってしまう。曽我の死に納得がいかない荒井が閉鎖された屋上に忍び込むと、そこには曽我の霊がおり、彼が学校に住む魔物に殺されたこと、生贄を集めれば屋上のアトリエを返してくれることを話してきた。
荒井は話が終わるとポケットから瓶を取り出した。「曽我君、見えますか?六人分の彫刻ができますね、いひひひひひひ……」
「何だい、坂上君。そんな大きなため息をついて。僕の話に何か不満でもあるのかい?」
風間の話に不満がある、というと、風間は旧校舎の踊り場にある鏡の前までみんなを連れて行った。その鏡は照魔鏡といって、姿を映すとその人に巣食う魔が映るのだという。みんなで鏡の前に立つと、坂上と風間以外が化け物のような姿になった。風間は、みんなは悪魔だったのだという。そしてナイフを手渡し、やられる前にやっつけるように言ったが、マスクの男子生徒に止められてしまう。マスクの男は綾小路と名乗り、実は悪魔であった風間を止めに来たのであった。
風間の話に不満がある、というと、風間は旧校舎の踊り場にある鏡の前までみんなを連れて行った。その鏡には時を超える力があるのだという。あるまじないをするとタイムスリップが出来るそうだ。鏡の前で風間が呪文を唱えると、鏡の中からもう一人の風間が現れた。しかし、その鏡は合わせ鏡になっていたため、鏡の中の鏡からも風間が現れ、階段の踊り場は風間だらけになってしまい、遂にはその重みで底が抜けてしまった。そして坂上は、風間にまみれながら真っ逆さまに暗闇へ落ちていくのであった。
会もお開きになり、みんな帰って行った。最後に残った風間は坂上に、この部室から出ようものなら霊達にとり殺されてしまう、と忠告してくるが、五百円を要求してきたため、対処法を教わることなく風間を帰してしまう。その後坂上が部屋の片づけを始めると、ドアを叩く音が聞こえ……。
七人目が来ないので、細田が学校のトイレツアーをしないかと提案してきた。
《1》「さあ、坂上君。どのトイレを見て回ろうか」
※一度見たトイレを選択すると「他のところへ行こう」と言われ、《1》へ戻る
《2》「このトイレは、僕が佐伯君と友情を確かめ合う儀式をしたトイレです。坂上君、悪いことは言いません。このトイレには入らない方がいいです」
《3》「さあ、坂上君。どのトイレを見て回りましょうか」
《4》「もう、旧校舎を見るのはいいのかい?」
一階南側のトイレに着くと、ここが細田のお気に入りのトイレだと言ってきた。細田の勧めでそのトイレの個室に入ってみたが、坂上はそこでうたた寝をしてしまう。目を覚まして外に出ると、坂上は女になっていた。どうやら自分が女である世界に来てしまったらしい。
二階の男子トイレに入ると赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。その後隣の女子トイレからガラスの割れる音が聞こえ、坂上と細田が駆けつけると、福沢が例の黒い赤ん坊に自分の血を飲ませていた。
トイレに入るが何もない。他の語り部は退出したが、細田は地面から伸びた手に足を掴まれて身動きが出来なくなっていた。坂上は細田を払いのけて逃げようとしたが、足に絡みつかれ、一緒に沈んでいった。
トイレに入ると細田の話した通り、中は焼け焦げ、人型のシミの上に夥しい数の釘があった。新堂がその釘を折ってしまうと、折れた釘から真っ赤な液体が流れ落ち、細田や他の語り部の体中から血が溢れ出した。
二階の女子トイレに着くと、細田が三上の霊を呼び出そう、と提案する。三上の霊が現れ、細田は三上から何かを聞くと、マッチを取り出し校舎に火をつけた。坂上は逃げ出そうとしたが、細田に腕を掴まれ二人とも炎に包まれてしまった。
坂上が三階女子トイレの個室に入ると、そのままうたた寝をしてしまい、気が付くと隣の個室から泣き声が聞こえた。隣の個室には少女(※仮面の少女の生前の姿だと思われる)が閉じ込められていたため、彼女を助け、もう一度個室に戻ると激しい頭痛の後、元の世界に戻った。
探索をやめ帰ることになったが、細田はトイレに行きたがり、坂上はそれに付き合うことになる。トイレに着くと、閉じている個室の下から赤い液体が見え、ドアを開けると人間の肉塊が散らばっていた。それは、七不思議の会を終わらせたくない細田が生贄にした七人目だった。意識が遠くなる坂上。
目を覚ますと坂上はトイレの個室にいた。酷く長い夢を見ていたような気がする。どうやら、うたた寝をしていたようだ。こうしている場合じゃない、早く部室に急がなければ。まだ見ぬ七人に会うために……。
七人目が来ないため解散しようとすると、部室に日野先輩がやってきた。日野はコーラを差し入れたが、それには睡眠薬が入っており、目を覚ますと、坂上は地下の格闘技場にいた。ここは『地下格闘クラブ』であり、要人たちの疲れた心を慰めるためのクラブなのだと。新堂、風間ら5人の語り部たちはすでに昨晩の宴に供され、死体となって吊るされていた。そして残った岩下と坂上との戦いが、これから始まるという。岩下はカッターナイフを取り出し、日野は坂上に武器を取るよう促した。
僕は、目の前に差し出されたトレーに目を移した。どうしようか……。
坂上と岩下の戦いが始まったが、岩下は坂上の手を取り、ナイフの刃先を自分の喉にうずめた。坂上は冷たくなっていく岩下の頬に顔を寄せ、必死に涙を堪えるのだった。
坂上はトレーを盾代わりにして岩下の攻撃を受け止めたが、避けきれず、左の耳をそぎ落とされてしまう。痛がる坂上に対して、次で最後にしてあげるが、その前にやることがある、と日野の首を切り裂いた。殺された語り部たちが犯した七つの大罪のうち、残った一つ、『傲慢』の罪を犯した罰として。そして岩下は、私もすぐに行くから、と坂上の背中に刃を突き立てた。
坂上が戦うことを拒むと、岩下は坂上を自由にする代償として自分の身を差し出すことになった。岩下はオークションにかけられ、落札者は彼女の肌の下を見たいと黒いローブの男たちに命じ、ナイフで背中を傷つけていった。
結局七人目が来ないため、新堂がそろそろ終わりにしないか?と提案してきた。
《1》……新堂さんの提案を、受け入れるべきだろうか?
《2》みんな帰ってしまい、部室には坂上と福沢が残った。一緒に帰ろうと誘う福沢に対して……
《3》部室で片づけをして帰ろうとすると、今度は岩下が現れた。一緒に帰ろうと誘う岩下に対して……
《4》結局みんな帰ってしまい、坂上も帰ろうとすると部室のドアがノックされた。
一緒に下校することになった坂上と福沢だが、校門を出ると、前を歩いていた福沢が振り返った。「ねっ、目をつぶって」。坂上が目をつぶると首筋に痛みが走り、次第に意識が遠のいていった。「満月の夜になると……無性に人の首筋に、噛み付きたくなるのよね。まだ足りないわ……」
一緒に下校することになった坂上と岩下だが、嫉妬に狂った福沢に、二人ともボウガンで撃たれてしまった。
福沢の誘いも岩下の誘いも断った坂上は、新聞部の部室を出た後、何者かに後頭部を殴られた。「坂上君……あなたは恋する女の子を裏切っちゃった。だから罰を受けないといけないのよ。きゃははははは……」
日野先輩だと思って扉を開けてみたが、そこには誰もいない。部室の方へ体を向けると後頭部を殴られ、振り返ってみたが、そこにはただ闇があるだけであった。
やってきたのは倉田恵美だった。七人目は自分だったのだが、先生に呼ばれていて遅れたのだという。坂上は倉田の差し入れたドリンクを飲んで彼女の話を聞いていたが、やがて机に伏してしまった。口から泡を出して……。
「あはははは……私の仕事を盗った坂上君が悪いのよ」
ノックはされたが誰も入ってこない。坂上はドアを開けようとしたが、ドアノブが回らない。後ろから笑い声が聞こえてきたので恐ろしくなった坂上はドアに体当たりをしたが、やっぱりドアは開かない。やがて視界が真っ暗になり、笑い声の中、坂上の意識は途絶えていった。
《1》福沢の話が終わった後、七人目としてやって来たのは蜜田真奈美だった。蜜田は野沢がサジタリウスを入れられる経緯について語り終わると、その身体からサジタリウスを放った。語り部たちは一斉に部屋から出ていったが、最後に残った福沢が転んでしまう。
《2》坂上は福沢の手をとって、部室の外へ逃げた。近くの階段は暗く、遠くの階段は少し明るい。
僕は……。
《3》坂上と福沢はサジタリウスの群れを避け、非常口から外へ出た。
「右よ、右に行けば校門だわ」僕は福沢さんの言葉を……
坂上は福沢を置いて部室を出ると、校門を目指して逃げた。靴箱のところまで来た時、岩下の姿を見かけ、逃げるよう促すと、こっちの世界に早く来て頂戴と、抱きつかれた。岩下の顔からは黒いものが落ち始め、坂上の意識は途切れた。
坂上と福沢は近くの暗い階段を降りたが、そこは非常灯のつきが悪くて暗いのではなく、サジタリウスに覆いつくされていたために暗かったのだ。福沢の悲鳴を最後に、坂上の意識は途切れた。
坂上と福沢は学校の外へ出たが、そこもすでにサジタリウスにやられた沢山の首なし死体で溢れていた。旧校舎では黒幕と思える人物が密談を行っていた。
坂上は左へ、福沢は右へそれぞれ分かれて逃げた。先を急ぐと校門が見え、そこには福沢が立っていた。坂上が福沢へ駆け寄ると、福沢は抱きついてきたが、その腕からはサジタリウスが湧き出てきて坂上の全身を刺しはじめた。
坂上が目を覚ますと、真っ白な部屋でベッドに四肢を拘束されていた。ドアから入ってきた福沢に、サジタリウスと人間が混ざり合った新しい人種を生み出すために協力してほしいと言われ、腕に注射をされるのであった。
七人目が来ないので、どうしようか思案していると日野先輩がやってきた。実は初めから6人にしか声をかけていなかったらしい。代わりに日野が七話目を話すことになった。
日野は蟲毒(こどく)についての話をした。蟲毒とは、複数の動物を密閉空間に入れて地下に埋め、共食いの果てに生き残ったものを使用する呪術のことだ。かつてこの学校にはこの蟲毒を試したい衝動に取りつかれた生徒がいた。名は仮に君塚とするが、彼は人間を用いた蟲毒を実現させようと、旧校舎の地下室を利用して、7人の生徒でそれを実行することにしたのだ。生徒たちを地下に閉じ込めた君塚は監視カメラとマイクで中の様子を伺いながら、彼らが死んでいくのを観察していった。やがて男子生徒一人と女子生徒一人が生き残り、最後の対決となるところでモニターの光が消えてしまった。
《1》さて、君塚はどうしたと思う……?
《2》−−なあ、お前、生き残ったのはどちらだと思う?君塚が地下室で相対したのは。男だと思うか?それとも女の方か?
《3》君塚は女を家に連れて帰り、蟲毒となった彼女をどう使おうか思案しだした。君塚は彼女をどう使ったと思う?
君塚がビデオを確認してみると、地下室で死んだ男女はみな赤い防災ずきんをかぶった幼い女の子の怨霊によって殺されていたことがわかった。そしてその怨霊が君塚の見ていたモニターの前に現れ、恐怖した君塚が旧校舎から出ようとしたところ、例の地下室に入ってしまい閉じ込められてしまう。君塚はここで勝ち目のないかくれんぼをする羽目になってしまったのだ。
日野は話し終わった後、その地下室を調べに行かないかと提案し、一同は旧校舎へ。しかし例の地下室は塞がれていた。落胆したみんなが旧校舎を出ようとすると、鉄の扉が閉まる音と甲高い女の子の声が聞こえた……。
君塚が地下室に行って確認してみると、生き残っていたのは男だった。しかし男は蟲毒にはなっておらず、君塚の首を絞め殺した。実は地下室で死んだ六人のほとんどが事故や自殺で亡くなっており、殺しあって死んだわけではないので蟲毒が生まれなかったのだ。
「……というわけで、実験はやり直しだ」日野の声がくぐもって聞き取りにくくなり、坂上は自分がいるのがいつもの部室ではないことに気が付いた。
君塚が地下室に行ってみると、男も女も相討ちしたのか二人とも死亡していた。がっかりした君塚だったが、なぜかその後恐ろしいほどの幸運が次々と舞い込んできた。そんな幸運にのぼせあがっていたある日、眠っていた君塚に赤い目をした小さな獣たちが襲いかかり、君塚は白骨になるまで喰われてしまった。実は地下室で生き残った最後の一人が瀕死の状態にあったとき、ネズミが齧ってとどめをさしていたのだ。蟲毒となったネズミが君塚に幸運をもたらしていたのだが、それに気づかなかった君塚は生贄を捧げるのを怠ったため逆襲されてしまったらしい。
会合が終わった帰り、坂上はノートを部室に忘れたことを思い出して取りに戻った。部室からは明かりが漏れており、こっそりと覗いてみると、ネズミ男が人間の足を貪り食っていた。坂上はこっそりと引き返し、いかにして新聞部を辞めるかということを思案し始めた。
蟲毒を飼い始めた君塚には吉報が金銭とともに押し寄せるようになった。だが、蟲毒には生贄を必要とした。人間を用いた蟲毒には人間の生贄が必要である。蟲毒を捨ててしまうと、今まで得た富も捨てなければならなくなる。富を捨てずに蟲毒と縁を切るには蟲毒を食って殺す必要がある。君塚がどれを選んだかはわからない、としたところで日野の話は終わった。
七不思議の会合も終わり、戸締りをしながら坂上は考えた。君塚とは日野なのではないか、と。廊下に出た坂上は異様な雰囲気に恐怖して振り返るが何もない。そして視線を戻すと目の前に蟲毒の瞳が見えた。
君塚は蟲毒を母親に預けるべく、人間蟲毒である彼女を家に残したまま一人旅に出た。押し付けられた母親がどうなったかはわからないという。日野は話し終わると、差し入れとして冷蔵庫から缶ジュースを出して皆に振舞った。会合も終わり坂上が帰ろうと玄関に向かうと、荒井に声をかけられ一緒に下校することに。そこで荒井は、蟲毒は今も生贄を要求していること、日野の母親が先日酷い亡くなり方をしたことを語った。そして日野からもらった缶ジュースを捨てるように忠告し、駅の改札へ消えていった。
語り部たちの機嫌を損ね、ろくに怖い話を聞けないままに会が終わりそうになったところへ元木早苗がやってきて、怖い話をしてくれることになった。
交換日記が流行っていた頃、その輪に入れなかった皆川千春は、木の洞の中にあった誰かの交換日記を見つけ、その書き手の一人である桂雅彦と交換日記をするようになる。桂との交換日記は木の洞を介して行われ、お互いに顔を見せることはなかった。皆川にはクラスに思いを寄せる加瀬啓太という男子生徒がいたが、ある日彼が別の女の子に告白するのを見てしまい、さらにクラスメイトの女の子の陰口を聞いてしまったことから絶望し、日記に「死んでしまいたい、助けて」と書いてしまうと、桂から『じゃあ、会おうか』と返事がきた。夜中の二時に木の下で待ち合わせることになったが、皆川は家を出た後、もし桂と会えなかった時のために文房具を用意しておこうかと思いついた。
《1》どうでしょう、彼女は文房具をとりに家に戻ったと思いますか?
《2》桂がいつまでたっても現れないので、皆川が洞の中のノートを取り出して読むと、そこには「僕には君を連れて行くことしかできない」とあった。桂はすでにこの世の人間ではなかったのだ。皆川は桂の霊に首を絞められるが、機転を利かせてなんとか助かる。しかし、後日、好奇心にかられて、桂が皆川より前に別の相手と交わしていた日記を読んでしまい、再び現れた桂の霊によって殺されてしまう。皆川は例の木で首を吊っていたため自殺と片づけられた。
その首吊りの木は今でもこの学校の裏あたりあるのだが、洞の中でノートを見つけても決して触れないように元木は忠告した。実は元木もそのノートを見つけたことがあったのだが、おばあちゃんの教えによって助かったのだと。
ところで、元木の言っているおばあちゃんとは誰なのだろう?
桂がいつまでたっても現れないので、皆川が洞の中のノートを取り出して読むと、そこには「僕には君を連れて行くことしかできない」とあった。桂はすでにこの世の人間ではなかったのだ。皆川は桂の霊に首を絞められ、次の日、例の木で首を吊った状態で発見されたという。話が終わった後、坂上が例の木を調べてみると、洞の中に古びたノートがあった。背後からは女の囁くような声が聞こえ、坂上の手は意に反し、ページをめくるのであった。
元木早苗がガクリと首を落とすと、口からおばあちゃんが現れた。足りない七不思議の残りの話が埋まるのも、時間の問題かもしれない。
話が終わってみんな帰ると、坂上は元木の語った話を反芻した。実は坂上の鞄の中には例の交換日記が入っているのだ。ノートには神経質そうな女の子の字で、『私と交換日記をしない?』と書かれていた。
語り部たちはみな帰り坂上も帰り支度を始めると、七人目を名乗る、顔に包帯を巻いた女の子が現れた。彼女は兄の不注意から顔に火傷を負ってしまい、責任を感じた兄から皮膚移植を受けるも拒絶反応とカビ菌の繁殖によって、常に包帯をしなければならない顔になってしまった。包帯をした彼女は幼稚園時代からいじめられ、自殺まで考えるようになる。ある日、親の離婚によって別れた兄と再会すると、兄は彼女をいじめた奴らを殺そうと企てた。いじめた全員は鳴神学園に在籍しており、七不思議の特集でその6人を集め、七人目として兄がやってきて彼らを殺すのだという。そして包帯の少女は、その兄を止めようとして殺してしまったと言った。包帯の少女はこのことを新聞に書いてほしいと坂上に頼み、包帯を解いた。
少女が窓から飛び降りようとしたので坂上は手を伸ばした。しかし掴んだのは包帯だけで、彼女の体は下に落ち潰れてしまった。彼女の包帯を手に坂上が新聞部を出ると、死んだと思われた兄、日野が包帯をとり、坂上の顔に巻き付け、絶命した。顔に包帯を巻かれた坂上は、彼女と兄のために6人を断罪しようと決心するのであった。
少女の顔のおぞましさに坂上は悲鳴を上げ逃げようとしたが、逆上した彼女に襲われ、顔の皮膚を削がれ眼球を潰されてしまった。命乞いをする坂上に、彼女は6人の首を取ってくるよう命じる。彼女には虐げる側の人間の素質がすべて授けられており、それを開花させた坂上は、喜びに体を震わせた。
七人目として同じ新聞部一年の倉田恵美がやってきた。締め切りに間に合いそうもなくて、遅れてしまったという。
《1》締め切り……?新聞部の記事の締め切りは、ついこの間、終わったところだ。
《2》鳴神学園の漫画研究会は、設立当時バイタリティー溢れた部員が何人も所属しており、当時の新聞部部長が学校新聞に漫画を描かないかという話をもちかけた。初めは中々首を縦に振らなかった漫画研究会だったが、結局、部長の熱意に負けて、承諾した。
さぁ、坂上君、ここで質問よ。新聞部の部長はどんなテーマを出したと思う?
新聞に載せる漫画は、学園生活の日常を四コマ漫画形式にすることに決まり、当時漫画研究会の一年生だった如月唯が抜擢された。彼女の漫画は好評を博したが、ある日、漫画研究室の部室で古ぼけたGペンを見つけて以来、彼女の描く漫画のモデルとなった人物が次々に死んでいき、如月は退部させられた。その後、如月は行方不明に。
これらの話に興味を持った倉田は、例のGペンを見つけ、坂上の抹殺を図った。Gペンで新聞部の部室に隕石が落ちてきているコマを描く倉田。翌日の新聞では、鳴神学園に大型の隕石が直撃し、男五人、女三人の計八名の死体が見つかったという記事が載った。
新聞に載せる漫画の担当に二年生の桐谷知美が選ばれた。桐谷の描く漫画は好評で、彼女は毎日部室に残って作業をしていたが、ある日亡くなっているのが発見される。彼女の死体には刺青のように漫画のコマの模様が入っていた。遺体の近くに真っ白な原稿用紙が落ちており、創作に苦しんだ挙句の自殺と判断されたが、それ以来、夜な夜な漫画研究会の部室から女の子の泣き声がするという。倉田がそこまで話すと、女の泣き声が聞こえ部室の電気が消えた。電気をつけようとした坂上が、背後の気配に気づいて振り向くと、そこには全身に刺青の入った倉田が立っており、こんなことになったもの坂上のせいだ、と首を絞めた。
倉田は福沢が話した渡瀬と星岡の話(福沢シナリオ[出来る彼女の秘密]の【蟲の口移し】)について語った。渡瀬はマンドライドという媚薬を使って星岡を愛の奴隷にしたのだという。倉田はそのマンドライドを手に入れたのだといい、坂上に口移しでそれを飲ませた。そして坂上は倉田の奴隷の一人となってしまった……。