福沢の後に細田を選択すると追加シナリオ発生
《1》でもね、ちょっと断っておきたいんだけど、僕がこんなに汗を掻いているのはこれから話すために緊張しているだけだと思ってる?
《2》坂上君も感じないかい?この部室の異様な空気を。
ある日、突然の便意に襲われた細田が旧校舎のトイレに向かうと、そこには数人の男子生徒がいた。彼らは我慢クラブの一員で、トイレを我慢していたのだ。しかし次々に脱落し個室に駆け込んでいく部員を見て嘆いた部長の黒田茂は、トイレに行きたい細田に向かって、極限まで我慢するように命じた。細田が限界まで我慢してから用を足すと、部長をはじめとする部員たちから称賛を浴び、我慢クラブへの入部を勧められた。
ねえ、坂上君。君だったら、もちろん我慢クラブに入るよねぇ?
我慢クラブに入部した細田は、次の日部長の黒川から歓迎会に誘われる。歓迎会の行われる旧校舎トイレに行ってみると、黒川はゴキブリやムカデなどの蟲が入ったバスケットを持ってきた。これからこの蟲を食べる我慢会をするのだと。細田は無理やりミミズを食べさせられたが、すぐに近くのトイレに嘔吐してしまう。吐き出した後でそのトイレの穴を見てみると、うじ虫のたかった頭蓋骨が見え、細田は一目散に逃げ出した。一週間ほど寝込んだ細田が学校に復帰すると、我慢クラブの連中が旧校舎で集団自殺したという話を聞いた。
我慢クラブに入部した細田は、次の日部長の黒川から歓迎会に誘われる。歓迎会の行われる旧校舎トイレに行ってみると、黒川はゴキブリやムカデなどの蟲が入ったバスケットを持ってきた。これからこの蟲を食べる我慢会をするのだと。驚いた細田がクラブを辞めると言うと、黒川が辞めるなら自分と我慢比べとしろと言ってきた。そして夜に黒百合総合病院千葉病棟で待ち合わせると、黒川はアポトーシスという薬を取り出した。その薬を飲むと自殺したくてたまらなくなるのだという。その薬を飲んで我慢比べをするというだ。細田と部長は薬を飲んだが、なぜか細田には効かず、部長は自殺したい欲望に抗いながら、我慢することの恍惚に酔いしれ亡くなった。
細田の数少ない友人の一人に高田護という男子生徒がいた。彼は要領が悪く、細田と同様に冴えないタイプの男だったが、ある時、もうすぐ自分が自分でなくなる、と言い出す。そしてその日以降、彼は変わってしまい、すっかりクラスの中心人物になってしまった。細田がクラスメイトに、高田は変わってしまったということを話すと、皆、高田は昔から変わっていない、と返ってきた。不思議に思った細田は高田の事を調べる事に。
《1》坂上君、僕はどういう方法で高田君のことを調べたと思いますか?
《2》高田の後をつけると、彼は野山の中にあるボロボロの家に入っていった。
坂上君、僕はどうしたと思いますか?
《3》細田は高田に直接聞こうと思い、放課後に教室で待ち合わせることにした。
坂上君、僕は高田君に何を聞いたと思います?
《4》細田は質問を間違えたと思った。細田は高田のことをよく知らなかったのだ。
結局どうしてクラスのみんなが昔の高田君を覚えていないのか、分からず仕舞いでした。
そのまま逃げ帰ることにした細田だったが、なぜか行くときは何時間も掛かった道なのに、帰るときは五分くらいで戻れてしまった。次の日細田が学校に行くと、高田の存在自体が無かったことになっていた。
彼は今でも変わらずクラスの中心にいて王様のように崇められているという。
細田が聞き耳を立てると、高田と老婆の話し声が聞こえた。高田は妖怪だったのだ。話の途中で細田が喋るのを止めると、枯れた老婆の声が細田から発せられた。「あれだけ……話すなと言ったのにねぇ……」細田の首が伸びてきて、坂上たちは記憶を喰われた。
細田が家の扉をノックすると高田が現れ家の中へ招かれた。高田は人の記憶を食べて生きる存在であり、人間ではないのだという。しかしこのような生活にもう疲れてしまったので、人の世を捨てこれからは静かに生きて行こうと思うのだと語った。気が付くと細田はいつもの通学路で起こされ、翌日学校へ行ってみると高田の存在が消えていた。
細田が問い詰めると高田は正体を現した。目の前にいるのは高田が作りだした空想の存在なのだと。細田は偽の高田に襲われかかったが、細田が本物の高田を必要な人間だと思っていたため、本物の高田が目覚め、戻ってきた。坂上が二人の友情話に感動していると、細田は、だって僕より駄目な奴なんでそうそういないから、と言い放った。
なぜ自分だけが平気だったのかはわからないが、おそらく他の人より高田と仲が良かったので、それがヒントとなるかもしれない、と細田は言った。
高田が何者なのかは気掛かりではあるが、それよりも友達だった高田がいなくなったことが悲しくて仕方がないという細田だった。
高田に会うのは止めた方がいい、今の高田は近寄り難い雰囲気で、笑顔の張り付いた能面のような印象を受けるのだと細田は言った。