新堂の後に福沢を選択すると追加シナリオ発生
《1》ひょっとして坂上君は私みたいな女の子がタイプだったりする?
《2》もし坂上君が興味あるなら毬絵先生の話をするけれど、どうする?聞いてみたい?それとも、別の話がいい?
二年F組にいた山形英俊は美術の新任教師である桃瀬毬絵先生に悪戯を仕掛けた。美術の時間に毬絵先生の似顔絵を描き、どの絵にも顔の左半分に大きな痣が描かれるようにしたのだ。毬絵先生は山形の目論み通り泣いてしまった。
それでさ、そのあと先生はどうなったと思う?
毬絵先生は悪戯にも我慢して学校に来たが、左側の頬に絆創膏を貼るようになり、性格も次第に暗くなっていった。そして遂に学校に来なくなる。学校側の説得により山形が毬絵先生のマンションへ謝罪に行くと、毬絵先生は山形を誘い、真夜中の旧校舎で待ち合わせる約束をした。山形が約束通り旧校舎へ行くと毬絵先生が教室で待っていたが、その日を境に彼の消息は途絶えてしまったという。
毬絵先生は学校を辞めてしまったが、その後山形は左頬が痒くなり絆創膏を貼るようになった。頬には紫色の痣が出来てしまい包帯で隠すようになったが、山形の母親が心配して病院に連れて行くと、包帯の下に何も異常はなかった。山形には自分の顔が醜くなったように見えてしまうらしく、彼は精神病棟へ入院することになってしまった。
学校に迷い込み、みんなから可愛がられるようになった猫のモモが、いつのまにか姿を現さなくなってしまった。モモに懐かれていた千野香奈子は、ある日学校の中で猫の声を聞く。
声はそのうち、千野さんをある場所に導いたの。そこはどこだったと思う?
千野は美術室で描きかけだったモモの絵を見つける。せっかくなので完成させようと校舎裏に画材をもっていくと、そこにはモモがいた。そして千野はモモの絵を描き上げたがモモは不満そうだった。千野が考え込んだ後、モモの絵の周りに自分やモモを可愛がっていた人たちを描き足すと、モモは今までにないくらい甘えてきた。そして次の日からまたモモは現れなくなってしまう。実はモモは千野が絵を描きあげる前に亡くなっていたらしい。
千野がグラウンドで声のする場所を掘ってみると、胴体を切り落とされたモモの頭が出てきた。誰かが『猫霊』という儀式のためにモモを犠牲にしたらしく、口の中には願い事を書いた紙が入っていた。千野はモモを生き返らそうと「この子を生き返らせてください」という紙をモモの口に挟み、紙袋に包んで丁寧に埋めなおした。やがて埋めたはずのモモの首は消えてしまったが、結局千野はモモに会うことはなかった。福沢の話によると、蘇ったモモは人間を餌にする何かに変わってしまったので、大好きな千野に会おうとしないのかもしれない、と。
モモは不良五人組に虐め殺されてしまっていたが、千野に憑りついて彼らに復讐をしたのだった。ただし、最後の一人だけは殺さずに、身体を乗っ取って人間として生活することにしたらしい。
深夜にラジオを聴いていると、時々変な音を拾ってしまうことがあるが……
《1》その時、男の子の声と女の子の声。どっちが聞こえて来たら怖い?
《2》福沢の友人、西野友里は親友の前沢美咲の幼馴染である東優斗に想いを寄せていたが、前沢の手前、好きだと言い出せずにいた。ある時西野は前沢からラジオの恋のおまじないの話を教わり、試してみたが、ラジオから聞こえて来たのは恋の予言ではなく女の子の独り言のような声だった。その後も何度か試してみたが、聞こえてくるのはやはり女の子の声で、しかもそれは前沢の心の声のような気がした。
……ねえ、坂上君は、ラジオから聞こえて来た声は、一体何だと思う?
福沢の友人、西野友里はラジオを聞くのが趣味だった。ある時、周波数を変えて遊んでいると男の子の声が聞こえてきた。彼は渡部恭輔と言い、改造した無線機で遊んでいたら西野のラジオに繋がったのだという。それから西野は渡部と会話と楽しむようになった。西野が渡部に直接会いたいと言うと、その日から渡部の声がラジオから聞こえなくなり、西野の身体から異臭がするようになる。そして後日、西野の部屋の天井から腐乱死体が落ちてきた。死体は西野のアパートの上の階に住んでいた一人暮らしの大学生で、彼こそが渡部恭輔だった。
西野は前沢の気持ちを疑い次第に避けるようになったが、嫌わないでくれと涙ながらに乞う前沢を見て仲直りをする。再び三人で仲良くする日々が続くと思われたが、そんな折、東が何者かにホームから突き落とされて轢死してしまう。悲しみに暮れる西野を前沢が慰めたが、その後西野がラジオを聞くと、邪魔者がいなくなって西野が自分のものになった、という声が聞こえた。前沢は西野が好きで、東の事を邪魔に思っていたらしい。西野が前沢を問い詰めると、前沢は屋上から飛び降りてしまった。
西野は前沢の気持ちを疑い次第に避けるようになったが、嫌わないでくれと涙ながらに乞う前沢を見て仲直りをする。しかし、再びラジオを聞くと、気持ち悪い、とか死んで欲しい、というような声が聞こえ、怒りがこみ上げて来た西野は前沢を屋上から突き落として殺してしまう。前沢の死後、西野は東から呼び出され、以前から好きだったという告白をうけた。ラジオから聞こえて来たのは前沢ではなく西野の声だったようだ。