前田和子・第3話


シナリオパターン

和子が体験した不思議な夢の話が語られる。

五年くらい前、和子が風邪をこじらせて駅の近くの大きな病院へ行ったときのこと、草むらの陰に隠れていた小さなボールを蹴飛ばしてしまってから不思議な夢を見るようになった。夢の中で和子は犬になっており、小学一年生くらいの女の子にかまわれていた。そしてその女の子の手には、和子が病院のところで蹴飛ばしたあのボールが握られていたのだ。

なんだか気になるじゃない。

  1. うん、確かに→でしょ。
  2. べつに気にならない→あらそう。でも、私は気になったの。
  3. 私が気になるのは泰明さんのことだけ→[良夫の復讐]へ (ゲームオーバー)

ボールのことが気になった犬の和子は女の子についていった。やがて女の子に家に着いたが、母親らしい人が女の子に文句をいっており、犬の和子は中に入れてもらえなかった。どうやら、その家で飼ってもらうことができなかったようだ。

夢はそこで終わったが、目が覚めた和子は不思議な気分になった。

それで私、次の日にどうしたと思う?

  1. 図書館に行った()→図書館で夢に関する本を調べてみた。
  2. お祓いしてもらった→あら嫌だ。私、そんなに薄情じゃないわよ。

本を調べてみると、面白いことがわかった。たとえば、夢を見ている時には、まぶたの奥で目玉が動いているらしい。

あなたも、誰かの寝顔を覗いてごらん。ほら、今夜あたりどう……?

  1. 泰明の寝顔を想像する→「ん?何、俺の寝顔でも見る?ははっ」
  2. 良夫の寝顔を想像する→[良夫のヨバイ]へ (ゲームオーバー)
  3. 哲夫の寝顔を想像する→「ん?自分の顔に、何かついているのかな?」

和子はまた犬になった夢を見た。今度は広い原っぱで女の子とボールで遊んでいる夢だった。女の子の投げたボールを、犬になった和子が取ってきて彼女に渡すと、側にいた男の子がボールを奪って向こうに投げてしまう。そのボールを犬の和子は追いかけたが、車にはねられてしまい、犬を追った女の子もはねられてしまった。救急車に運ばれる女の子を追いかけようとしたところで、目が覚めた。

そして、この夢の後で、和子は同じ夢を続けてみるようになった。犬になった和子が女の子の無事を思い、毎日病院を外から眺めるという夢だ。その病院とは和子がボールを見つけた所だったので、現実の和子は何度か病院を訪ねて女の子を捜してみたが、見つけることはできなかった。

しょうがないのでボールがあった所に行ってみると、そこにはぼうっと光る、死んだ魚のような目をした、あの犬がいた。

びっくりした和子は、犬が追いかけてくるかと思って駆けだしてしまったが、そんな気配がないので止まって考えた。振り向くべきか、このまま駆けていくべきか……

)あなただったら、こんな時どうするかしら?

  1. 振り向く→[病院を眺め続ける犬]へ (次の人の話へ)
  2. 逃げ出す→[和子の希望]へ (次の人の話へ)

これまでにを通っており、この選択肢が出てから五秒以上待って選択すると、どちらを選んでも下の展開へ。

どうしていいかわからなくなった和子がしばらくそのままじっとしていると、中学生くらいの女の子に出会った。女の子が驚いたような顔をしてボールを手に取るので、声をかけてみると、自分が持っていたボールと似ていたから、といいだした。きっと彼女は夢で犬と一緒にいた女の子だ。そう思って犬の方を見てみたが、犬は相変わらず病院を見ていた。和子は立ち去ろうとする女の子を呼び止め話をしたが、彼女は「もうあの時のことはいいんです」といって彼氏と二人でどこかへ行ってしまった。その彼氏は、夢で見た、あのボールを投げた男の子のようだった。

このまま放っておいていいと思う?

  1. いい→[犬の思い出]へ (次の人の話へ)
  2. よくないよ→[殺された二人]へ (ゲームオーバー)

良夫の復讐

和子が気をきかせて泰明と二人っきりにさせようとするが、その時泰明の携帯に彼女からの電話が…。振られてしまった主人公が、その夜布団をかぶってしゃくりあげていると良夫がやってきて、一緒に寝ようといってきた。良夫は畳の上に横になり、布団の中に手を入れてきたが、その手は血でぬれていた。「あいつ、許せないよな。俺、復讐したぜ。寝ているところを、グサッてね」(ゲームオーバー)

良夫のヨバイ

「俺の寝顔が見たいの?ヨバイか?」とからかう良夫。和子はたしなめるが、そのうちに二人はドタバタしだし、やがて疲れてあくびをしはじめた。みんなも眠くなったようで、結局和子の話は最後まで聞けないまま、おひらきになった。

その夜、主人公は血だらけの顔の良夫にからかわれる夢を見て、一晩中うなされ続けた。(ゲームオーバー)

病院を眺め続ける犬

和子が振り向くと、犬はただ静かに病院を眺めていた。和子が見た夢はきっと本当にあったことなのだ。女の子と犬が事故にあい、女の子は病院に、犬は道端に置き去りに。そして自力で病院を訪れた犬の魂は、中に入れてもらえないまま、ああやって病院をずっと眺めているのだろう。(次の人の話へ)

和子の希望

和子はたまらなくなって、駆けだしてしまった。それから病院の夢はいつの間にか見なくなってしまったのだが、あの夢はきっと本当にあったことなのだろう。犬がぼうっと光っていたように見えたのは気のせいで、犬の傷は自然に完治し、退院した女の子とまた会えた……ってことになってればいいのに。(次の人の話へ)

犬の思い出

和子はそれ以上なにもしなかった。大切な気持ちは、自分自身でくり返し思い出したり、忘れたりするもので、他人にどうこうされるものではないから。和子には、あの犬の気持ちが少しだけわかるのだと。(次の人の話へ)

殺された二人

和子は犬に、待っている人はもう来ない、と伝えるために病院へ行くから、主人公にもついてきて欲しいと頼んできた。

そして次の日、主人公と和子が一緒に例の病院へ行くと、ボールがあった場所で、二人の中学生が喉を食い破られて死んでいた。しかし、和子にはその死体が見えないらしい。

犬は気付いていたのだ。女の子が生きていたこと。成長して自分の前に現れたこと。ボールを投げた男の子と仲良くしていたこと。

何かの息づかいが聞こえ、振り向くと、口を血だらけにした犬が、こっちをじっと見つめていた……。(ゲームオーバー)

登場人物

女の子 (グラフィック有り)
和子が夢で見た小学一年生くらいの女の子。ポニーテールでまつげが長く、くりくりの目をしている。ちなみに中学生に成長した女の子のグラフィックは「学校であった怖い話S」の福沢である。
男の子 (グラフィック有り)
和子の夢に出てきた、悪ガキという感じの男の子。ちなみに中学生に成長した男の子のグラフィックは「学校であった怖い話S」の新堂である。
コロ (グラフィック有り)
和子の夢に出てきた犬。
サユリ
泰明の彼女。

Last modified:2012.6.21.
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