哲夫の話は、ある大学生グループが山に登ったときの話だった。
大学の山岳部の五人組グループは夏休みを利用して山を登っていたが、登っているうちに、同じグループを何回も追い抜いているような気がしてきた。
哲夫の質問の答え方で、シナリオがおおまかに2つに分岐する。
※哲夫に「休みの時は、なにをしているんだい?」と聞かれた時の選択肢で、[追いかけてくる生首]の内容が変化する。【情報提供:オメガイオタ様】
《※》いつも休みの時は、なにをしているんだい?
《A》山っていいだろう?
《B》山に登ったとこがあるのかな?
《C》おばさんになったときに、山に登り続ける自信はある?
《D》五十歳ぐらいの人が山に登ると思う?もちろん、とても高い山にだよ。
何度も何度もは同じようなグループを追い抜いているような気がして、みんなの顔は真っ青になっていった。
もしこのグループの一人だったとしたら、こんなときどうする?
もう何度あの人たちに追い抜かれたことだろう。
……………………………………。
大学生グループのメンバーの峰崎が、同じ人かどうか確かめて戻ると、彼の体はどんどんと老化していきミイラのようになってしまった。そして、例のグループが近付いてくると、ミイラになった峰崎を引き連れ、頂上へ向かって歩いて行っていた。(次の人の話へ)
大学生グループの部長谷村は、このまま登るか引き返すか考えたが、同じ四年の峰崎が、本当に前のグループが同じ人たちかどうか、確かめると提案してきた。確認するとどうやら違う人のようであったが、谷村は、やっぱり同じグループのような気がして気味が悪くなり、今朝出発した山小屋まで戻ることにした。戻ろうと振り返ると、そこには先ほどの人たちがおり「実は、ついてきてほしいところがあるんですが……」といった。彼らについて行き、指さした崖の下を見てみると、そこには人間の死体が落ちており、いつのまにか彼らを案内したグループはいなくなっていた。あの人たちは、そこで死んでいた人たちの霊だったのだろうか?(次の人の話へ)
大学生達は、今度はさっきの人と違う人たちに追い抜かれ続けていた。部長の谷村は自分を追い抜こうとしている人を見てみると、その人たちは、恨めしそうな顔をして谷村たちをにらんだ。
《※》で(★)を通っている場合
彼らの顔を見た峰崎が驚いて暴れ続けたため、谷村たちは秘密を守るために峰崎を殺した。谷村達はいくら追い抜いても現れるあのグループが不気味でたまらなくなって、前にいたグループの人間を殺してしまっていたのだ。そしてその死体をバラバラにしてザックに詰め、崖下に捨ててから下山しようとしていたのだ。そして峰崎の死体もバラバラにして、同様に捨てることにした。
やがて谷村達は死体を捨てる目的の崖まで来た。そしてザックを開けると、中に入っていた生首が生きていた。谷村と仲間達は峰崎達の生首に襲われ、帰らぬ人となった。(次の人の話へ)
《※》で(★)を通っていない場合
谷村達はいくら追い抜いても現れるあのグループが不気味でたまらなくなって、前にいたグループの人間を殺してしまっていたのだ。そしてその死体をバラバラにしてザックに詰め、崖下に捨ててから下山しようとしていたのだ。
やがて谷村達は死体を捨てる目的の崖まで来た。そしてザックを開けると、中に入っていた生首やバラバラになった手足に襲われ、谷村はバランスを崩して崖の下に落ちてしまった。谷村の死体はまだ見つかっていない。捜しに行った人は結構いるのだが、必ず深い霧が出て遭難してしまうのだという。そしてそんな噂が流れてから、誰も捜しに行く人がいなくなってしまったのだ。(次の人の話へ)
大学生達は、いつの間にかあの人たちに追い抜かれていた。そしてそのことに気づくと、みんなの顔が今まで自分たちが追い抜いていた人たちのような顔に変わっていた。そして、彼らを追い抜いていこうとしていた人たちの顔を見ると、それは若いままの自分たちだった。彼らはその後無事に下山し、今でも普通に学校に通っているらしい。でも、下山した彼らが本物かどうかはわからない。(次の人の話へ)
前を登るグループのおじさんが言うには、大学生達と、自分たちは次元の狭間への入り口に入ってしまい、終わることのない登山をしているのだという。そして、こんな所に閉じ込められていると、泣き叫ぶ者を切り刻むことぐらいしか楽しみがないのだと、大学生達を襲ってきた。しかし体力のある大学生達の方が有利であり、おじさん達は逆に刺され、大学生達はその後無事に戻ることができたようだ。
部長だった谷村は今でも山に登り続けているようだが、彼が山に登った日は必ず遭難者が出るらしい。(次の人の話へ)