真田泰明・第2話


シナリオパターン

ドラマって好きかな?

  1. だーい好き()→最近の中高生ってそんなもんかもね。
  2. ふつうかなっ→好きだと思っていたよ、ははっ。
  3. 泰明さんが作ったものならっ、えへっ→うれしいな、ははっ。

ドラマって二時間ドラマとか、連続ドラマとか、放送のしかたもいろいろあるけど、どっちの方を好むのかな。

  1. 2時間ドラマ→俺も忙しいから家で見るのはせいぜい2時間ドラマだよ。
  2. 連続ドラマ→俺も連続物のトレンディドラマをプロデュースしたことあるんだけど、知ってる?

ところで今度、撮影見にくるかい?

  1. 本当にいいの?()→遠慮しなくていいよ。
  2. そんな、迷惑じゃない?→遠慮してるのかい?

ここで話は本題に入り、泰明が制作に関わったドラマの撮影中に起きた出来事が語られる。

ドラマの主役はもともとベテラン中堅俳優の片桐智紀が演じるはずであったが、ぎりぎりのところで人気急上昇中であった元アイドル歌手の坂田守に変更になり、片桐は主役の敵役になってしまう。

泰明は坂田と片桐のスナップ写真を見せ、どっちが好きかを聞いてくる。

  1. 片桐→[坂田へ殺意を持つ片桐]へ
  2. 坂田→[片桐を恐れる坂田]へ
  3. 泰明さんが一番→[事件の黒幕]へ

坂田へ殺意を持つ片桐

主役が坂田へ変更になったことが許せなかった片桐は、ドラマの中にある殺人のシーンを利用し、事故と見せかけて坂田を殺すことにした。

)殺意や殺すところを人に見せながら殺すなんて、普通の感覚だったらこんがらがっちゃうよ。そう思うだろ。

  1. うん(※1)
  2. そんなことない(※2)
  3. 面白そう(※3)

このドラマでは、敵役が主役を殺そうとする場面が三つあった。一つは毒殺しようとするシーン、もう一つは崖から突き落とそうとするシーン、そしてナイフで刺し殺そうとするシーンだ。片桐は毒殺しようとするシーンを使おうと考え、そのシーンを撮影の日まで何回も練習した。もちろん、坂田が死んだ後に悲しむ演技も含めて。そして撮影当日、片桐はあらかじめ用意していた毒を撮影用の小道具とすりかえ、堂々とコーヒーに入れた。コーヒーを飲んだ坂田は苦しみだし、やがて倒れるが、撮影が終了すると何事もなかったように立ち上がった。呆然とする片桐が坂田を見ると、坂田は魔物のような微笑みを片桐に向けた。

次の日、今度は主役を崖から突き落とそうとするシーンの撮影が始まった。予定では片桐が坂田を崖まで追い詰めるところのカットで終了するはずだったが……

片桐はそのまま崖から坂田を突き落とした。坂田の悲鳴が轟きスタッフは騒然としたが、撮影が終わると坂田は崖下のネットから引き上げられ、無事な姿を見せる。唖然とする片桐が坂田を見ると、坂田は不気味な笑顔を向けた。

そして、残るナイフのシーンの撮影が始まった。

片桐のナイフは坂田の体を突き刺し、坂田の体からは血が滴り落ちた。このシーンでは血糊の用意はしていなかった筈なので、片桐はやっと坂田を殺すことができたと心の中で歓喜した。しかし坂田はゆっくり立ち上がると、床を汚してしまったことを謝った。坂田を殺すことはできないのか……

この撮影、その後どうなったかわかるかい?

  1. そのまま続行した→[片桐の日記]へ
  2. わからない→[その後の片桐]へ

坂田の幻影

二人の演技はその後も続き、片桐は坂田を崖に突き落とそうとした。しかし、片桐は坂田の体を通り抜けるように、崖に向かって落ちてしまう。坂田はカメラの方に向かい不気味な笑顔を浮かべると、崖の方に向かい飛び下りてしまった。スタッフが崖に駆け寄り下を覗くと、そこには倒れた片桐の姿しかなかった。結局片桐は死亡し、坂田はいまでも姿を消したままだ。もしかしたら、坂田は毒殺のシーンで殺されていて、その後の彼は片桐に復讐するために現れた幻影だったのかもしれない。(次の人の話へ)

一週間前に死んでいた坂田

激しい乱闘の後ナイフの取り合いになったところでそのカットは終了するはずだったが、演技は続けられ、二人の体が離れると、坂田の体にはナイフが刺さっていた。しかし片桐の体にも坂田が刺されたところと同じ場所にナイフが刺されており、すぐに救急車が駆けつけたが、片桐の息はすでになかった。その後坂田は行方不明になり、警察が彼の行方を探したところ、片桐が坂田を毒殺しようとするシーンを撮ったホテルの部屋で、死後一週間たった遺体となって見つかった。一週間前といえば、ちょうどあの毒殺シーンが撮影された日だったはず……。(次の人の話へ)

片桐の日記

撮影が終了しクランクアップした日の夜、ホテルの片桐の部屋を坂田が訪ね、片桐にコーヒーを入れた。片桐は出されるままに坂田の入れたコーヒーを飲み、翌日スタッフが部屋に行くと片桐は死んでいた。

坂田はその日から行方不明になる。片桐の部屋には一冊の不可解な日記が残っており、そこには彼がコーヒーを飲んで死ぬまでの間の事が書かれていた。

これって、どう思う?

  1. 日記を書いた後、自殺したんだと思う→警察もそういう結論に達した。
  2. 坂田の偽装工作では→筆跡鑑定したが、坂田のものではなかった。しかし片桐のものとも断定できなかった。
  3. 本当に、それ日記なのかな→事件とは関係ない、誰かの書いていた小説だという結論に達した。

行方不明になった坂田は、それから一年後に、ロケ地だったところで死体となって発見された。死後一年経過していたが、坂田が死んだのが片桐の前か後かはわからず、死因は片桐が毒殺のシーンで坂田を殺そうとして使った物と同じ毒によるものだった。

坂田が毒殺のシーンで死んでいたとすれば、死亡時期も場所も死因もつじつまが合うのだが、スタッフはその後も撮影に臨む彼の姿を見ている。結局ドラマは制作中止になったが、あのフィルムはまだ誰も確認していない。

あのフィルムに、坂田の姿が映っていると思うかい?

  1. 映ってる
    →映ってても、それが生きていたという証拠にはならないが。幽霊だとしたら、初主演ドラマに未練があったのだろうか。でも、制作中止になったから浮かばれないな。(次の人の話へ)
  2. 映っていない
    →映ってなければ日記の通りになる。役を演じ、片桐を殺し、スタッフが見続けたものは幽霊ということになるな。幽霊ならなぜ直接片桐を殺さず、ドラマで演じ続けたのだろう。初主演の作品に未練があったのかな。(次の人の話へ)
  3. 映っていてほしくない
    →無気味なこと願うなよ。映ってなければ、何を見てたというんだよ。昼間、あんなにはっきり見えてたんだ。でも、可能性はある。世の中には、人が干渉してはいけないものがあるんだ。そのフィルムも、そんなものの一つで、好奇心でむやみに開けてはいけない、パンドラの箱かもしれない。(次の人の話へ)

その後の片桐

撮影は最後までいったんだ。片桐は、その後、どうしたと思う?

  1. 私なら気が変になってしまう→片桐は病院で療養中、坂田は最後の撮影以来、行方不明になった。(次の人の話へ)
  2. 自殺したんじゃないかな→片桐は撮影中に自殺し、ドラマは彼の遺作として放映された。《A》
  3. う〜ん、わからない→片桐は坂田の入れたコーヒーを飲むシーンで死んでしまった。《B》

《A》実は片桐は癌にかかっていて、余命3ヶ月だったのだが、その検査結果がでたのは彼の自殺後だった。坂田は撮影後行方不明に。一年後、片桐の手帳が見つかり、そこには坂田を殺そうとしたいきさつが書いてあったが、病気のことは一言も書いていなかった。

ところでそのロケ地というのは、この先にあるのだが、明日にでも行ってみるかい。

  1. 二人で、いきましょう→ああ、いいよ。明日二人で行こう。(次の人の話へ)
  2. みんなで行こう→ああ、いいよ。じゃあ、明日みんなで行こう。(次の人の話へ)
  3. 行きたくない→そう、行きたくない?そうだな、何が起こるかわからないからな。世の中には、人が干渉してはいけないものがある。この事件もそんなことの一つかもしれないな。好奇心でむやみに開けてはいけない、パンドラの箱かもしれない。(次の人の話へ)
  4. 明日までに考えとく→そう、じゃあ、明日まで待ってるよ。(次の人の話へ)

《B》坂田はその日から行方不明になったが、一年後にロケ地だったところで死体となって発見された。死後一年経過していたが、坂田が死んだのが片桐の前か後かはわからず、死因は服毒死だった。

坂田が毒殺のシーンで死んでいたとすれば、死亡時期も場所も死因もつじつまが合うのだが、スタッフはその後も撮影に臨む彼の姿を見ている。結局ドラマは制作中止になったが、あのフィルムはまだ誰も確認していない。

あのフィルムに、坂田の姿が映っていると思うかい?

  1. 映ってる
    →映ってても、それが生きていたという証拠にはならないが。幽霊という可能性も考えられる。だけどあの二人はなぜドラマの撮影中にこだわったのだろう。あいつらにとっては、ドラマの方が現実より重要だったのかもしれない。でも、制作中止になったから浮かばれないよな。そういえば、あのドラマのディレクター、事故死したな。坂田が怨んだのかな。ということは、次は俺の番か。(次の人の話へ)
  2. 映っていない
    →映ってなければ日記の通りになる。役を演じ、片桐を殺し、スタッフが見続けたものは幽霊ということになるな。幽霊ならなぜ直接片桐を殺さず、ドラマの中で殺したんだろう。奴等にとって、ドラマの方が現実より大切だったのかもしれないな。でも、制作中止になったんだよね。浮かばれないよな。そういえば、あのドラマのディレクター、事故死したな。坂田が怨んだのかな。ということは、次は俺の番か。
    (◆を通っていない場合)(次の人の話へ)
    (◆を通っている場合)法事から帰った後、泰明から連絡がありドラマの撮影見学へ行くことに。そこで天井に吊されていたライトが泰明の頭を直撃する。「泰明さんが呪いで殺された……」しかし、気がつくとそこはあの日の開かずの間だった。泰明が話していたのは撮影中に死んだ女優の話だったらしい。もしかしたら、予知夢……(次の人の話へ)
  3. 映っていてほしい
    →映っていなかったら、ちょっとな。やっぱ、フィルムは見ないほうがいいかもしれない。今のところは落ちついている霊を刺激するかもしれないし、何が起こるかわからないからな。誰も触れてはいけない、誰も見てはいけない。それで誰も気付かなかったのかもしれない。世の中には、そういったものがたくさんあるが、また一つ、それが増えたということか………。(次の人の話へ)
  4. 映っていないでほしい
    →無気味なこと願うなよ。映ってなければ、何を見てたというんだよ。昼間、あんなにはっきり見えてたんだ。でも、可能性はある。世の中には、人が干渉してはいけないものがあるんだ。そのフィルムも、そんなものの一つで、好奇心でむやみに開けてはいけない、パンドラの箱かもしれない。(次の人の話へ)

片桐を恐れる坂田

坂田は同じ事務所の先輩である片桐に気を使って笑顔で接していたが、片桐の方は口をきこうともしない。そんなある時、坂田は片桐が小道具の人に毒のことを聞いているのを目撃する。ドラマには殺人のシーンがいくつかあり、毒殺しようとするシーン、崖から突き落とそうとするシーン、ナイフで刺し殺そうとするシーンなどがあったのだが……。嫌な予感がした坂田が話をするために片桐を探していると、ホテルの裏庭のテラスで毒殺のシーンを練習する片桐の姿を見かける。片桐は、大丈夫か、坂田、という台本にない台詞を言っていたため、坂田はドラマのシーンに乗じて本当に殺されてしまうのでは、と思った。

そして毒殺のシーンの撮影が始まったが、何事もなく終了する。

やがて今度は、坂田が片桐に崖から落とされそうになるシーンの撮影が始まった。予定では片桐が坂田を崖まで追い詰めるところのカットで終了するはずだったが、片桐は演技を止めようとせず、坂田を崖下へ突き落とした。坂田は予め設置されていたネットの上に落ち無事であったが、片桐が自分を殺そうとしているのではないかという思いはどうしても打ち消せない。

残るシーンはナイフでの格闘シーンのみだ。坂田は、このシーンさえ乗り越えれば助かるだろう、と思い撮影に向かった。しかしナイフを取り合う演技の最中にナイフが手をかすめ、そこから流れる血を見てナイフは本物だと確信する。坂田はベッドのサイドテーブルにあった壺で片桐を襲い、頭を直撃された片桐は死んでしまった。

坂田は正気を失って病院に入院し、事件は坂田の被害妄想ということで解決した。

(★を通っている場合)あのナイフはイミテーションで本物ではなかった。手の怪我は、争っている間にどこかで切ったのだろう。坂田はドラマという不思議な空間に捕らえられた被害者だったのかもしれない。(次の人の話へ)

(★を通っていない場合)この話には後日談があり、坂田が入院していた病院に男が訪ねてきたのだが、しばらくして看護婦が坂田の病室に行くと、彼はベッドの下で倒れて死んでいた。訪ねてきた男の行方はわからなかったが、その容貌は片桐にそっくりだったという。(次の人の話へ)

事件の黒幕

泰明は突然頭痛がするといって頭を抱え出し、まるで誰かが乗り移ったようにドラマの撮影中に起こった事件について語り出した。

その話によると、坂田と片桐の確執はプロデューサーの策略であり、片桐がドラマのシーンを利用して坂田を殺そうと仕向けたのも、ドラマの話題性をあげるために、そのプロデューサーがやったことらしい。(次の人の話へ)

登場人物

坂田守 (グラフィック有り)
人気急上昇中の元アイドル歌手の役者。
片桐智紀 (グラフィック有り)
ベテランの中堅俳優。

Last modified:2012.6.28.
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