泰明はスクープとよく出会う、縁起のいいお守りを持っているという。
二年ほど前、泰明の番組の視聴率が下がり始めたため企画会議を開いたときのこと、報道記者の一人が北崎洋子という女優にちょっとした噂があるのだと持ちかけてきた。質の高い報道番組を目指していた泰明は、スキャンダラスなネタを扱うべきか悩んだ。
どう思う。ちょっと難しいかな。
泰明は悩んだが、お守りの石が光った気がして、そのネタを追うことにした。出川という新人を担当記者にして、お守りの石を渡し、調査を進めるさせると、予定通りスクープをつかんできた。
彼女に関するスクープって、どんなものかわかるかい?
ある日、取材を続けていた出川が突然行方不明になった。泰明は、出川の失踪と北崎は何か関係があると思い始める。出川に渡した石のことも気になった泰明は、出川の机を捜すことにした。
まずどこを調べる?
ここでは(◇手帳)か(◎石)を選び、かつ4つ以上選択すると、調査が終了する。
逆にいうと、(◇手帳)か(◎石)を選ばないと調査は終了しない。
また、(※2整形手術)を通っていた場合は、ノートパソコンを調べる事で地図を見た事になる。
《A》出川の残した情報から山間の町に行った泰明。地図の場所には空き地があるだけだった。しかし、空き地の隣の住宅には『北崎』という表札がかかっている。
その家のこと、どう思う?
《B》泰明は地図にあった空き地の隣にある『北崎』の表札がかかった家の呼び鈴を押した。
家からは何の反応も無い。どう思う。居留守だと思うかい。
《C》泰明は門をくぐり、玄関のノブを回したが、鍵がかかっていた。
どうかな?
《D》もう一度ノブをとったがドアは開かない。ドアの脇には庭の方へ続く道のようなものがある。
そこから入ってみようかとも考えた。どう思う?
泰明がプロデューサーとしての力を認められたのは、かつて北崎洋子と沢野明美という女優がヒロインの座を争っての確執が騒がれていた頃に、女優というものを正面から捉えた特集を組んだからだった。しかしそのドキュメントには裏があり、沢野、北崎、そして泰明の間では石をめぐっての激しい戦いが繰り広げられていたのだ。
三人は同じ石の破片を一つずつ持っていた。石は持ち主に幸運をもたらしたが、持ち主どうしにはどちらかが倒れるまで争いが起こり、当時、泰明は北崎と協力して、沢野明美を倒したのだという。石どうしの戦いに敗れた場合、持ち主は死ぬため、泰明がもし取材を続け北崎と対立するようなことになれば、また、命をかけた争いをすることになる。
泰明は取材を中止しようとしたが、記者達の取材は順調に進み、もう止めることができない状態になっていたため、泰明は対決する覚悟を決め、単身でインタビューに臨むことにした。
泰明は北崎の自宅を訪れ、庭で北崎の周辺では行方不明者が多いことに関してインタビューを始める。その時、稲妻が二人の間に落ち、地面から腐乱死体のような化け物が現れ、北崎を襲ってきた。どうやら、死体はこれまでに石が殺した人達らしい。北崎は腐乱死体達によって四つに裂かれ、やがて消えてしまい、泰明の石と北崎の石はくっついてひとつになった。
泰明は、また同じ石を持っている人と出会わないことを祈っているらしい。(次の人の話へ)
泰明がプロデューサーとしての力を認められたのは、かつて北崎洋子と沢野明美という女優がヒロインの座を争っての確執が騒がれていた頃に、女優というものを正面から捉えた特集を組んだからだった。泰明は今回も北崎洋子のスクープにかけようと記者を取材に当たらせたところ、引退していたと思われていた沢野明美が、実は失踪していたということが明らかになる。
泰明は、当時のドキュメントの完全版を目指すことにし、本格的に取材に取り組むことにした。すると、北崎、沢野、そして泰明の三人が同じ石を持っていることが判明する。泰明の石は子供の頃に家の近くで拾ったものだったが、北崎と沢野の石はあるファンから贈られたものらしい。そしてさらに取材を進めるうちに、北崎と沢野の確執の原因をつくったのは、実は泰明だったこともわかる。
取材が行き詰まりかけていたある日、泰明が起きると左手に見慣れない傷があるのに気付く。出勤すると北崎から、石を贈った男が昨日の夜にロケを見に来ていた、と連絡があった。泰明が自分の車を調べてみると、ハンドルにはかすかに血がついており、昨夜満タンにしておいたはずのガソリンが、ほとんど空っぽになっていた。
今までの話を聞いて、どう思う?
ある日、泰明が床につくと、知らない家の中で目覚める。床には北崎が倒れており、泰明の手には血に濡れたナイフがあった。こっそりと家を後にすると、家の外には泰明の車が止まっており、ポケットの中には大きくなった石が入っていた。この時から、石は露骨に泰明を操るようになり、栄光を約束する代わりに全ての石を集めることを要求したのだという。
泰明が話を終えると、その手にはナイフが。「みんな、ごめん……、俺はこの石に逆らえないんだ」そして、振り上げたナイフを主人公の頭上へ……。(ゲームオーバー)
北崎はある日突然死んでしまう。ドラマの撮影中に毒を飲んで自殺したのだ。彼女の遺品からは例の石が見つからなかったが、泰明が自分の石を見てみると、いつのまにか大きくなっていた。北崎の石がくっついたのだろうか?結局事件は多くの疑問を残したまま終わり、取材も未完成のままになった。
(※)泰明の話が終わると、主人公は思った。話に登場した謎の男とは、泰明の事ではないかと。泰明は、子供の頃、夜ふらっとどこかに行くクセがあったらしい。(次の人の話へ)
※1話目、2話目ともに石の話にしている場合は下記のような文章になる
ただ、この石には、なんかとてつもない秘密があるんじゃないかと思うんだ。今日、これで三つ目だろ……。これから何か悪いことが起きなければいいんだが……。でも、この石には逆らうことはできない、そんな気がするんだ。これから何が起こったとしても、それは運命のような気がするのさ。(次の人の話へ)※隠しシナリオへ
(出川の机の調査をした直後の場合)泰明に、出川が見つかったと携帯に連絡が入る。
(出川の地図に書かれた家に行った後の場合)泰明に、家の持ち主がわかったと携帯に連絡が入る。
泰明は、仕事だといい部屋を出ていった。会はお開きになったが、主人公は泰明の座っていた辺りにドラマの台本が落ちているのを見つける。タイトルは『石にまつわる怖い話・春の章』……。(ゲームオーバー)
泰明がもう一度ノブをとると、今度はドアが開き、家の奥へ進むと北崎洋子がいた。泰明はこれまでのいきさつを説明し謝ったが、北崎は企画を続ける気があるなら協力してもいいと言い、せっかくだから家の中を見て行ってよ、と家の中を案内される。
稽古の部屋に案内されると、壁に白い無表情の面が掛かっていた。泰明が北崎にその仮面のことを聞くと、それは舞台で、表情に頼らず体全体で表現するための稽古に使うものだといった。泰明が、さすが女優だな、と感心すると、ポケットの中に入れていた例の石が震えたような気がした。
どう思う。この石のこと。
北崎の態度を見て泰明は企画を練り直すことにし、新しい企画の取材を、改めて北崎に申し込んだ。そして取材の日、別の用事で遅れた泰明は、ディレクターの星野に先に行ってもらうことにし、北崎の家に電話をいれたが、誰も出ない。不安に思った泰明が北崎の家に向かうと、男の悲鳴が聞こえ、庭へ回ると、そこには黒いマントを羽織り、白い仮面をかぶった北崎が立っていた。その足元には星野の死体が……。北崎がマントの下から大きな鎌を出して泰明を襲おうとすると、泰明の持っていた石が音を放ち、地面から赤ん坊のような生き物が這い出してきた。赤ん坊は北崎のマントの中へ入り、我に返った泰明が駆け寄ると、マントの下には仮面だけが残されていた。
後に泰明が北崎の日記を読むと、彼女は悪魔信仰に凝っており、悪魔の子を産んで、その子の造る帝国に聖母として君臨しようと思っていたらしい。
しかし、これらの話は全て、今度の特番のあらすじであった。(次の人の話へ)
リビングに戻り、泰明がテラスを見ると、そこには子供のおもちゃが置いてあった。しかし北崎は、妹の子供のおもちゃだという。不審に思った泰明が家を出ると、子供の笑い声が聞こえたため、泰明はもう一度北崎の家の中へ。
家の中にはやはり子供がいた。子供は泰明をリビングに招き入れると、どこかの王様のように堂々とソファに座り、「君は僕の洗礼を受ける気はあるかい」と聞いてきた。見た目は三才ぐらいなのに、言葉は不自然に大人びている。子供の脇に座った北崎は、洗礼を受ければ新たなる帝国で第三の地位を得ることになる、といってきた。
こんなことは、信じられないかい?
泰明がもう一度ノブをとると、今度はドアが開き、家の奥へ進むと、リビングに見覚えのある巨大なスチール写真が飾られていた。それは泰明が大学の時に撮った映画のスチール写真であった。ドアが開いて北崎が現れる。
実は北崎洋子は、泰明が大学のサークルで一緒に活動していた武井という女の子だったのだ。『北崎洋子』というのは、泰明達が作った映画の登場人物であり、泰明の理想の女性像だった。武井はどうしても『北崎洋子』の役がやりたくて、女優・北崎洋子になったのだという。
そして泰明を立派なプロデューサーにするため、今まで尽力していたのだと。
泰明がもう一度ノブをとると、今度はドアが開き、家の奥へ進むと、一つのドアに突き当たる。泰明がドアを開けると、そこには北崎が立っていた。ふいに何かが風を切る音がしたため、その音の方を見ると、柱に大型のナイフが……。
(◎を通っていた場合)北崎はそのナイフを抜くと、泰明の方へ近づいてきたため、身の危険を感じた泰明は庭の方まで逃げるが、道路への扉は鍵がかかっており、壁の上には鋭く尖った金属が据えられている。
こんな時、どうする?大怪我覚悟で壁に登るかい?
北崎が更に迫ってくると、泰明のポケットの中の石が突然音を発し、北崎は消えてしまった。泰明が北崎の家で見つけた彼女の母親の日記を読んでみると、北崎洋子は悪魔信仰をしていた母親が産んだ、悪魔の子であったらしい。
しかし、これらの話は全て、今度の特番のあらすじであった。(次の人の話へ)
(◎を通っていない場合)泰明の記憶はそこで途切れたという。話し終えた泰明は黙ってしまい、やがてその首が突然床に転がった。(ゲームオーバー)
[夜歩く泰明]で話を終わらせると、[隠しシナリオ・石の話]へのフラグが立つ。