由香里がデパートでアルバイトをしたときの話が語られる。ゲームオーバーはない。
《1》(※)高校生になったら、まず一番に何がしたい?
《2》由香里は営業時間後のデパートに興味があった。
女の子なんて、みんなこうだと思うけどなぁ……。あなたはどう?
《3》由香里達は四人でディスプレイを取り替える作業をしていたが展示用のマネキンが足りないのに気づき、倉庫までマネキンを取りに行かされることになった。
あなただったら、パートナーに誰を選ぶ?
《4》清水君と倉庫に行く事になった由香里。他のフロアへ行くには階段を使うか、業務用エレベーターもしくは止まってるエスカレーターを使う手段があったが…
私がどの方法を選んだか、あなたに想像がつく?私になったつもりで答えてごらん。
《5》松尾さんと倉庫へ行くことになった由香里。他のフロアへ行くには階段を使うか、業務用エレベーターもしくは止まってるエスカレーターを使う手段があったが…
私がどの方法を選んだか、あなたに想像がつく?私になったつもりで答えてごらん。
《6》由香里達は倉庫に着いたが、マネキンはバラバラで、しかもあるパーツだけどうしても見つからなかった。
それはどこだと思う?
《7》松尾さんがマネキンの腕を見つけ、手に持って大きく振ってると、その背後に無数の手が光りながら揺らめいていた。
もし、あなたがこの時の私の立場だったら、どういう行動に出る?今度は、私の場合なんて考えたくっていいよ。あなた自身に置き換えて答えて。
《8》由香里達は逃げ出したが、状況がわからない松尾さんは由香里の腕を振りほどこうとする。
それでも彼女を助けたいと思う?このまま、一緒に逃げる気ある?
(※)最初の選択肢でどれを選んだかによって分岐する
《9》由香里達はマネキンの足を捜したが、捜し疲れてしまい、諦めて足のパーツがないままマネキンを運び出すことにした。しかし、戻ろうとすると、腰から下が消えた男が二つの腕で這うようにして向かってきたので、二人はマネキンを放り出し出口まで逃げた。
早く、ここから脱出しないと!方法は二つ。どっちがより安全に思える?
《10》エレベーターのドアが開くと、そこは由香里達が最初に作業していたフロアだった。エレベーターのドアはまだ開いている。
★どうする?
《11》エレベーターが止まり、ドアが開くとエレベーターホールの壁には『B3』と書かれていた。
この文字の意味、知ってる?フロアの階数を表してるんだけど、そこは何階だったのかな?
《12》もうちょっと考えてみなよ。どう?適当でもいいから、いってみなって。
由香里はバイト仲間とデパートのディスプレイを取り替える作業をしていたが、作業が終わるとバイト仲間は消えており、代わりにマネキンが立っていた。マネキンがバイトを手伝ってくれたのだろうか?結局四人分のバイト代をいただいた由香里だった。(次の人の話へ)
臆病者の主任と倉庫へ行くことになった由香里は、業務用エレベーターの中で主任の不安をあおるために、エレベーターにまつわる怖い話を聞かせてやった。
エレベーターに起こる怪現象っていったら、どんなのを想像する?
止まっているエスカレーターで一つ下のフロアへ下りていくと、そこは玩具売場だった。由香里達がそこを歩いていると、小さな子供がかくれんぼをしている声と足音が聞こえてきた。やがて「もーいーかい?」という鬼の声だけが響きわたるようになると、由香里といたもう一人が「もういいよ」と返事をしてしまい、その人は闇に消えてしまった。
由香里が急いで残りの作業をしている二人がいるフロアに戻ると、そこにはバイト先の主任一人しかいなかった。どうやら上にいた一人も同様に消えてしまったらしい。あの二人は神隠しにあってしまったのだ。
今時、神隠しなんて信じられる?
※由香里と一緒に倉庫へ行く人を松尾さんとした場合は、玩具売場で消える方が松尾さんで主任といた方が清水君となり、倉庫へ行く人を清水君とした場合は、玩具売場で消える方が清水君、主任といたのが松尾さんとなる。
後ろを振り返り無数の手を見た松尾さんは、混乱してマネキンの腕を振り回して倉庫の中を逃げ回った。その姿を見た由香里もあっけにとられて逃げ遅れてしまい、バイト仲間が警備員と捜しに来てくれるまで、そのまま何時間もそこにいたという。
あの倉庫はずいぶん前に封鎖された場所で、ずっと鍵がかかっていたはずだったらしい。由香里と松尾さんは助かったが、あの時からあの手に肩を掴まれたままらしく肩こりに悩まされているらしい。(次の人の話へ)
由香里は倉庫にも売り場にも戻らずに、そのまま家へ帰ったという。
松尾さんは、ずーっと行方不明のままだ。(次の人の話へ)
由香里が売り場へ通じるドアを開けると、そこは昼間の営業中の売り場だった。由香里は三日間行方不明になっていたらしい。
不思議なことに、あのデパートには地下三階なんてなかったという。以前は倉庫があったのだが封鎖されており、松尾さんを捜すためにドアをバーナーで焼き切って中に入ったが、そこには誰もいなかった。やがて倉庫はコンクリートを流し込んで埋められてしまったが、由香里はコンクリートの中から青白い手が出て来る夢を見るらしい。(次の人の話へ)
エレベーターのドアが開くと、そこは由香里達が最初に作業していたフロアだった。ドアの向こうには松尾さんが立っており、「私のこと、嫌いなの……?」と責めた。由香里が「嫌い」と答えると、松尾さんはすすり泣きながら消えてしまった。きっと倉庫で死んでしまったのだろう。
不思議なことに、あのデパートには地下三階なんてなかった。松尾さんは行方不明のままだ。(次の人の話へ)
エレベーターのドアが開くと、そこには残って作業していたはずの二人が立っていた。二人は帰りの遅い由香里達を捜しにいくところだったらしい。由香里と彼等は警備員を呼んで地下へ戻ったが、警備員によると地下三階なんて見たことも聞いたこともないという。地下は二階までで、エレベーターのボタンにも『B3』はなかった。
松尾さんは行方不明に。由香里は、そういうのってこんな田舎じゃ神隠しっていうので、今度からこの話をするときはそう呼ぶことにしようといった。「私の知ってる子がさぁ、神隠しにあったの」って。(次の人の話へ)
地下三階の倉庫に行くと、そこにはマネキンの首が床一面に転がっていた。こんな所でマネキンを捜すなんてとんでもない、と思った由香里達は上に戻ることにし、エレベーターへまた乗り込んだ。エレベーターは屋上で止まり、外へ出ると、生首の群れが宙に浮かんでおり、由香里達は周りを囲まれる。
由香里は松尾さんをかばうようにして立ちながら、生首たちを睨みつけた。普通の喧嘩と同じように。
あなたってさぁ、喧嘩したことある?そんなに派手なやつでなくても、いいんだけどさ。
由香里が生首の目から放たれる怪しい光に目を奪われた隙に、生首の群れがいっせいに襲いかかる。松尾さんは生首を振り切ろうと駆け出し、金網を乗り越えて屋上から飛び下りてしまった。由香里が松尾さんが落ちた場所を確認しようと下を見ると、そこから松尾さんの生首が浮かび上がってきた。松尾さんの生首は涙を流しながら由香里に近づき「どうして……。何でこんなことになっちゃったのかなぁ」と呟くと、浮かび上がる生首の群れに合流し、雲の中へ消えて行ってしまった。
かつてあの地下倉庫では、警備員が買い物客や店員の女の子を連れこんで殺してしまうという殺人事件があったらしく、以来地下三階はコンクリートを流して埋めてしまっていたらしい。(次の人の話へ)
由香里が生首の目から放たれる怪しい光に目を奪われると、気を失ってしまった。松尾さんの声で気がつき目を開けると、そこには生首になった松尾さんがいた。彼女は生首の群れの一つに身体を奪われてしまったらしい。松尾さんの生首は「私の身体なのに……」と呟くと、浮かび上がる生首の群れに合流し、雲の中へ消えて行ってしまった。
警備員の話によると、地下三階など存在せず、地下は二階までしか行けなかったらしい。あれはどこか別の次元に存在するものだったのだろうか。
この話を聞いた人には松尾さんの生首が現れ『あなたの身体をちょうだい』といってくるので、その時には『私の身体は傷だらけです。足は捻挫してるし、腕は骨折しています』と答えないといけないという。(次の人の話へ)