鈴木由香里・第5話


シナリオチャート

由香里が遺跡発掘のバイトをした時の話が語られる。

「この話を聞いてどう思うかは、みんなの心次第。だから、他人の意見に惑わされないで」

《1》寺跡って何が出てくると思う?お寺にあるものっていったら?

  1. お墓→……お墓だよね。《4》
  2. 釣り鐘→お墓だったよ。《4》
  3. 仏像→そういえば、お地蔵様なら出てきたよ。《2》

《2》どれも、首のあたりで割られたけどね。何故だかわかる?

  1. わかる→へーぇ、じゃあ、答えてもらおうか?《3》
  2. わからない→由香里が『神仏分離』について語る。《4》

《3》寺跡で発掘されたお地蔵様に、どうして首が付いていなかったのか?

  1. 誰かの身代わりになった
  2. 古すぎて割れただけ
  3. 「首を落とせ」という命令があった

→どれを選んでも、由香里が『神仏分離』について語る。《4》

《4》由香里がバイトに行った寺跡にあったのは、お墓だった。墓穴には骸骨の入った丸い樽のような形の棺桶が、何百個も並んでいたという。

……あら、どうした?顔色が悪いじゃん?

  1. 気持ち悪くなった→[墓穴に入るのが好きな岡本]へ
  2. まだまだ平気→[骸骨を愛する岡本]へ

墓穴に入るのが好きな岡本

遺跡調査仲間に岡本のり子という女性がいた。彼女は墓穴の中に入ることを趣味としていて、骨を採りあげた桶の中に入っては喜んでいたのだ。ある日の夕方、由香里が仕事の仕上げをしていると、岡本と年配らしい男の人の会話が聞こえてきた。由香里が聞き耳を立てると、おじいさんは昔話をして、「この話を聞いた後、チリーンという音を聞くと……」というと、鈴の音が聞こえてきた。同時に岡本の悲鳴が聞こえ、声の元へ駆け寄ると、岡本は身体のぐずぐずと溶けていき、最後には骨だけの姿になってしまった。きっと岡本には罰が当ったのだろう。

そして由香里も、この頃肌がムズムズしてしょうがないらしい。

これって、身体が溶け始める前兆なんじゃん?あなたもそう思うでしょ?

  1. そう思う→風鈴のチリーンという音がし、みんなも由香里と同じ立場になった。(ゲームオーバー)
  2. そうは思わない→私の気のせいだっていうの?

由香里が腕を見せると、ひどくただれており、もう一方の腕は骨まで見えるという。

ところで、気持ち悪いのは治ったの?

  1. 治った→私の話が終わると元気になるなんて、嫌味な体質。(次の人の話へ)
  2. まだ気持ち悪い→でも、安心して。これで、話は終わりだからさ。お大事に。(次の人の話へ)

骸骨を愛する岡本

遺跡調査仲間に岡本のり子という女性がいた。彼女はものすごく骸骨が好きで、ある墓から素晴らしく原形をとどめた美しい骸骨が掘り出されると、その骸骨にすっかり惚れ込んでしまった。しかし、発掘されたものはすべて博物館で保管されることになっていたため、岡本は骸骨を手に入れられないまま別れの日を迎えてしまう。

《A》でも簡単にあきらめきれると思う?彼女にとっては、真剣な恋だったんだよ。

  1. あきらめるしかない……と、思う→[結婚した岡本]へ
  2. あきらめきれない……と、思う→あきらめきれるわけないじゃん。《B》

《B》それに恋って障害が多いほど燃えるもんじゃん?まだ難しいかなぁ。

  1. そんなことないもん!→骨を盗んだ岡本。《C》
  2. まだ、わかんない→[ミイラになった岡本]へ

《C》骨を盗んだ岡本は、その日から失踪した。しかし由香里は彼女の消息を知ってるという。

知りたい?

  1. はい→[骨を食べた岡本]へ
  2. いいえ→[禁断の味]へ

結婚した岡本

発掘作業終了の日から半年後、由香里の元に岡本から結婚式の招待状が届いた。

理想の結婚式ってどんなの?全部ひっくるめて、派手なのがいいの?それとも、地味なのがいいの?

  1. 派手で豪華な式がいい→ルックスの良いお坊ちゃまと結婚した岡本。
  2. 地味で質素な式がいい→骸骨そっくりの人と結婚した岡本。旦那は死神だった。(次の人の話へ)
  3. いっそのこと、海外で式を挙げたい→骸骨そっくりの人と結婚した岡本。博物館の倉庫からは人骨が消えていた。(次の人の話へ)

ルックスの良いお坊ちゃまと結婚した岡本だったが、彼女は彼の性格や家柄ではなく、偶然見たレントゲン写真の骨格に惚れ込んで結婚したらしい。しかし旦那は新婚旅行中に行方不明になってしまい、岡本は一体の骨格標本を持って帰国した。

何、考えてんのかなぁ?

  1. 恐ろしいこと→岡本さんが、旦那さんを殺して骨格標本を作った……。なんて考えても口にしちゃ駄目。(次の人の話へ)
  2. 別に何も考えていない→岡本さんが、旦那さんを殺して骨格標本を作った……。なんて考えても口にしちゃ駄目。同じように考えた雑誌の記者が一人、行方不明になってるんだよ。(次の人の話へ)

ミイラになった岡本

岡本は作業終了の日から失踪してしまった。

しばらくして由香里は、ある女性のミイラを見るために、あの骸骨が展示されている博物館へ行ってみた。

ミイラっていうと、どんなものを想像する?

  1. エジプトのピラミッド→一番メジャーな意見だね。
  2. イタリアのカタコンベ→へーぇ、よく知ってるね、そんな話。
  3. ホラー映画の怪物→ミイラと、ある豪華客船に関する話が語られる。

由香里がミイラを見ていると、後ろから見知らぬ怪しい男が話しかけてきた。男の話によると、このミイラは岡本さんなのだという。骸骨と離れたくなかった岡本が、自分から望んでミイラになったのだと。

《ア》こんな、うさんくさい男の話を、信じられる?

  1. 信じられる→素直に信じてくれてよかった。《イ》
  2. 信じられない→意外と疑り深い性格だったんだ。《ウ》

《イ》恋に生きる女って、恋に死ねるものなんだって思った。私にはちょっと真似できないけどさ……。

  1. 私ならできる→命をかけた恋ってやつが、また見れそうだ……。(次の人の話へ)
  2. 私にも真似できない→やっぱり、まだまだ子供だね。(次の人の話へ)

《ウ》もう一度聞くけどさぁ、この男の話は、絶対に信じられないのね?

  1. 信じられる→さっきということが全然違うじゃん。他人の意見に惑わされるなって、いわなかったっけ?(次の人の話へ)
  2. 信じられない→頑張るじゃん。意外と強情なんだ。《エ》

《エ》もう一回だけ聞くよ。どうしても、この男の話は信じられないんだね?

  1. 信じられる→さっきということが全然違うじゃん。他人の意見に惑わされるなって、いわなかったっけ?(次の人の話へ)
  2. 信じられない→この話は、ちゃんと自分の意見を持っているかのテストだったのさ。(次の人の話へ)

骨を食べた岡本

骨を持って逃げた岡本は、山奥の病院にいた。山のふもとのホテルに滞在している時に様子がおかしくなって入院させられたらしい。彼女が泊まっていた部屋に骨のかけらが散らばっていたことから、由香里は追い詰められた岡本が骨を食べてしまったのではないかと推測した。やがて岡本は衰弱死し、由香里は彼女を荼毘に付して骨壺を実家に送ったのだが、ちょうどその時忙しかった由香里は骨壺だということを書かずに小包で送ってしまったため、岡本の両親はそれを調味料として食べてしまったという。(次の人の話へ)

禁断の味

由香里は自分の身体を指差し、「岡本さんはね、ここにいるんだ」といった。

岡本は骸骨と別れるのを悲しむあまり、倉庫で自殺してしまったが、それを見た由香里は、岡本と、彼女の持っていた骨を持ち出し、闇で売ったのだそうだ。昔からミイラの粉や死者の骨を砕いたものは万病に効く薬になるという話が伝えられており、そういうものに何万も出すお金持ちが多いらしい。由香里も岡本の骨を舐めてみたが、何の味もしなかったという。

そして由香里はポケットから白い粉の入ったガラスビンを取り出したが、怖がる主人公に対し、みんな笑いを隠しきれないでいる。実は今の話は全国各地でよく聞かれる噂話だったのだ。

からかわれ泣きそうになる主人公だったが、ビンを見た正美が言った。「これは本物の人骨です」(次の人の話へ)

登場人物

岡本のり子 (グラフィック有り)
由香里のバイトしてた遺跡調査仲間の一人。
怪しい男 (グラフィック有り)
黒いロングコートに黒いサングラスの怪しい男。岡本の失踪に関わっているらしい。

Last modified:2012.7.9.
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