良夫の友達の立川の家には「わらし様」が出るということで、夏休みのグループ研究で「わらし様」の研究をすることにした。
良夫達は奥の仏間で「わらし様」を待つ事にし、撮影に成功するが…
写真の中のわらし様が、どんな姿だったか……知りたい?
写真には髪が長くて白い着物を着た女性が写っていた。
良夫達は計画の第二弾として、立川と小坂、それに女子二人の五人で立川の家に泊まることにしたが、良夫はいつの間にか眠ってしまい、トイレに行きたくなり目が覚めた。
夜に便所に行くの、怖いよな?
トイレに行こうとした良夫は物音を聞いた。確か立川の家では猫を飼っていたようだが。
猫って好きか?
二人で廊下を歩いていると、両手両膝を床につけた骸骨がこっちを見ていた。小坂が逃げ出し良夫も後を追うが、骸骨もよつんばいのまま追いかけてきた。死にものぐるいで走る二人。
俺って陸上の選手じゃん。知ってるだろ?
良夫は夜明けまでトイレを我慢することにした。やがて夜が明け、ホッとしていると天井から声が聞こえてきた。驚いて寝ている立川と小坂を起こそうとしたが、彼らはのどを切り裂かれ死んでいた。きっと天井の声がやったのだろう。(次の人の話へ)
物音の正体は立川だった。立川もトイレに行くらしく、ドアを開けるとそこには写真の女そっくりの髪の長い女が立っており、立川の体を囓り始めたが立川は気がついていないようだ。次の日、寝息を立てている立川の首には赤いあざが見えたが、良夫が見ているうちにそのあざは消えていった。
結局「わらし様」を調べる研究はお流れとなったが、あの夜の女の姿を忘れられなかった良夫は図書館で「わらし様」について調べてみた。
わらし様の正体、聞きたいか?いっとくけど、すごく嫌な話だぜ。それでも聞く勇気あるか?
写っていたのは小学校一、二年生くらいの半ズボンの少年だった。
良夫達は計画の第二弾として、今度は直接コンタクトをとろうとし、また立川の家に集まり仏間の隣の座敷で待った。
やがて写真の少年が現れ、「遊ぼ」と誘ってきた。
こんな子供と遊んだって、つまんないじゃん?
少年は鬼を誰にするか聞いてきた。
こういうとき、鬼ってどうやって決めてる?
かごめかごめをすることになった良夫達。班の女子の一人の咲野が中に入ることになった。
咲野の後ろになったのは少年であり、「わらし様でしょ」と言うと、少年は「……僕を、そんなものだと思っていたの?」と咲野の心臓を取り出した。「これからのお姉ちゃんは、ただの抜け殻だよ。本当のお姉ちゃんは、こうして僕が持っていっちゃうからね」と言い、少年は消えた。しばらくして立川は引っ越し、咲野はあの事件以来笑顔を見せなくなった。(次の人の話へ)