鈴木由香里・第2話を[人柱の儀式]の話で終わらせ、3話目に前田和子を選択すると出現する。なお、3話目に前田良夫を選択した場合は、[隠しシナリオ・前田良夫]が出現する。
選択例:
「1.聞きたい」→「2.いいえ」→「1.欲しい」→「3.どっちも嫌だ」→「1.ある」→「1.親に見せた」→「1.かっちゃんを叱る」→「2.刃物で斬られた跡があった」→「1.神様へのお供えだった」
由香里が、話し疲れたのでもう寝る、といって席を立った。和子も布団を用意するために立ち上がり、二人は客間を出て行く。しかし、しばらく経っても和子は戻ってこない。主人公は和子を呼びにいくのに良夫を誘うが……。
《A》「……どうしてもっていうなら付き合ってやるけどな」
《B》良夫と家の中を探すが、和子の姿はどこにもない。ふと見ると、廊下の先の部屋から明かりがもれていた。
覗いてみようか?
客間で和子は幽霊の『ゆっちゃん』の話を語り始めた。
ある由緒ある屋敷にベビーシッターの女の子が来ることになっていたのだが、彼女は来る途中で車にはねられ死んでしまう。しかし彼女は自分が死んだという自覚がなく、幽霊となって屋敷にやってきた。これが幽霊の『ゆっちゃん』である。家の奥さんは彼女が幽霊だと気付かなかったが、子供はそのことに気付いてなつかなかったため、ゆっちゃんは意地悪をすることにした。虫や小鳥、猫などを次々に殺しては、子供がやったのだと嘘をついてまわったのだ。ある日、母親はそのことを子供から聞きつけ、ゆっちゃんのベビーシッターをやめさせることにしたので、ゆっちゃんはくやしくなり、お屋敷で恐ろしい儀式がされているとか、いい加減なことを沢山いってまわったという。
この話は屋敷から見た側の話だが、由香里が話したような、ゆっちゃんの視点から見た話も色んなバリエーションで語られており、今、子供達の間で流行っているらしい。そして、お屋敷からみた話のラストでは、死んだ自覚のないゆっちゃんは、お屋敷を去った後もどこかの家にふと現れては、ベビーシッターの話をして文句言うのだと。
実は由香里はかつてこの屋敷で良夫のベビーシッターをしたことがあったのだ。もしかして、その時のことを根に持って、こんな話をしたのかも、と、和子。主人公は良夫に、由香里のところへ謝りに行って、客間へ戻ってきてもらおうと提案する。
主人公と良夫が由香里の寝ている部屋に行くと、由香里の姿はなく、良夫は突然何者かに首を絞められるが、和子がやってきて助かった。首を絞めてきたのは由香里かと思われたが、由香里はすでに客間へ戻ってきているという。一体どういうことなのだろうか。
怖い話なんて、もうやめようっていおうか?
扉の隙間から部屋の中を覗くと、和子と由香里が話をしていた。どうやら由香里が話していたお屋敷の話は、この家のことだったらしい。良夫は突然大声をあげると「部屋に入っていい?」といった。
「良夫!何でここに来たの?……とにかく入りなさい」
良夫と和子の話によると、由香里が話していたことはみんな本当で、この家には守り神が必要なのだという。由香里は殺されるから二人で逃げようといい、和子と良夫はそんなことしないという。
……一体、どこへ行けばいいの?
和子に連れられて地下室へ行くと、そこには男の首の剥製と、血で描かれた女性の肖像画があった。和子達は、この絵による災いから家を守るために、誰かを剥製にして守り神にしなければならなかったのだ。由香里は儀式を見てしまったため、守り神にさせるつもりだったが、結局おばあちゃんが連れてきた男の人を守り神にしたため、その必要はなくなったという。
和子と良夫は、このことは誰にもいわないようにいってきた。
二人を、信用していいのかしら?